九島に初めて訪れたときのこと
いよいよ宇和島市の牛鬼祭り(和霊大祭)の日が近づいてきました。今でも毎年のように撮影している数少ないお祭りとなっています。もちろん、今年も伺う予定です。
さて、牛鬼祭りといえば、最初の数年間はお祭りの翌日に九島へ行くのが定番となっていたことを思い出します。
九島を知ったきっかけは、2011年に初めて牛鬼祭りを撮影したときです。
その年は、自宅から宇和島までJRの列車に乗って行きました。お祭りは午後10時頃まであるので、その日はホテルで宿泊し、翌日列車で帰路に着く工程です。翌日の便は夕方の特急指定席を予約していましたから、それまで時間があります。
翌日の行動を決めるべく、お祭りの撮影を終えてホテルに戻るやいなや、ネットで情報を集めます。
市の観光サイトなどを見ていると、九島の情報が掲載されているのが目にとまりました。宇和島市の沖合約3kmの位置にある離島で、島を海沿いに一周する道路があり、ゴジラ岩やモスラ岩、鯨大師などのスポットが島を囲むように点在していました。また山側に向かえば遠見場やあやか園などもあります。

今でこそ、本土から九島へ車で行くことができる九島大橋が架かっていますが、当時は工事すら始まっておらず、フェリーで往来する必要がありました。フェリーの時間を調べると、片道20分ほどで1時間に1本の便となっており、朝一の便でフェリーに乗って島を1周歩いて本土へ戻ってくる予定にしました。


フェリーは、宇和島港を出発して「蛤」「百之浦」「本九島」の順番で3カ所の港に止まります。フェリーから見た島の風景を撮影したいと思い、最後の本九島港で降りることにしました。

現在、九島のマップには、「花と歴史と笑顔が香るいやしの楽園」というキャッチコピーが入っていますが、本当にその通りで、行く先々で会う方々に笑顔で出迎えていただいたのを今でも覚えています。
本九島へ到着してからは時計回りで島を1周することにしました。九島は、島の南側に集落が集中しており、集落を離れると海沿いの道には民家もなく日陰も少ない。島の周囲は約12kmですが、夏の炎天下だったこともあり、蛤地区に戻ってきたときにはすっかり汗だくで、1年目は海沿いに島を周るのが精一杯でした。
そのまま蛤地区の港から島を後にしました。
これが九島1年目の撮影でした。
それからというもの、牛鬼祭りの撮影に宇和島を訪れては、翌日に九島へ行き、未撮影の場所を少しずつ埋めていくという流れが出来上がっていました。
写真集では2011年から2018年の撮影期間と案内していますが、2016年の九島大橋の完成までは牛鬼祭りに合わせての1年に一回ペースの撮影でした。実際には九島大橋完成以降の2016年から2018年の約3年間に、季節ごとに訪れるなどして集中的に撮影しています。
そのお話はまた別の機会に。

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