仁淀川町の秘境、雨竜の滝で撮影した「流音」

岡本卓也による写真作品『流音』。高知県・雨竜の滝の静かな流れを捉えた一枚。水の柔らかな動きと自然の静けさが調和する風景。
流音(第70回高知県美術展覧会 写真部門 入選)

風景の撮影を始めるきっかけとなった写真

少しずつですが、Artgeneで販売している写真のことを紹介していきたいと思います。

第1回目は「流音」です。

この写真は、高知県仁淀川町・中津渓谷の奥深くにたたずむ「雨竜の滝」で撮影しています。

今からちょうど10年前の2015年に撮影しました。この頃はまだ写真のジャンルが定まっておらず、なんでも撮影していました。この写真を翌年の高知県展へ初めて出品したことで、風景写真を主体とするきっかけとなった1枚でもあり、思い出深い写真です。

翌年には同じ日にこの場所で撮影した「秋流るる」という写真を高知県展へ出品しています。

私の中では2枚で1作品という気持ちがあり、いわば兄弟作品のような存在です。

さて、この2枚は望遠レンズにPLフィルターを装着して、スローシャッターで撮影しています。

雨竜の滝は、多方向へ勢いよく吹き出す水と赤い岩が特徴的な滝なので、広角レンズで全体を撮影される方が多いかと思います。展望台でも水しぶきを浴びるほどの水量で、雨の降った翌日などは特にブロワーやクロスの持参が必須ですが、私が訪れたこの日は比較的水量が少なく、迫力に欠けていました。

どう撮影しよう、そう思ったときは望遠レンズに付け替えます。

これは困ったときは望遠レンズでのぞいてみたら良いということです。ある写真家の方がよく雑誌やテレビなどのインタビューで答えていたのを見てから、実践しています。特に写真教室に通ったり、写真の師匠的存在の方がいるわけでもありませんが、その方の撮影スタイルが、私の撮影の基礎となっています。
(最近は40mmだけを持って撮影に行くことも多いですが。)

そして滝の上側にある苔の生えた岩に日が当たっているのに目がいきました。

望遠レンズで撮影するときは、引き算が大切と言います。光の当たっているところを切り取るように撮影しました。

この滝のことを知らなければ、この岩場の周りにこんな迫力ある風景が広がっているとは思いもしないでしょう。

またPLフィルターを着用してスローシャッターで水の流れを撮影するとき、私は0.6〜0.8秒を多用しています。
この露光時間が現実と非現実のはざまな感じがして、私の中で一番気持ち良い印象です。

そして撮影できたのが「流音」でした。

「流音」というタイトルについて

前述の通り、この写真は撮影した翌年に高知県展へ初めて出品した写真となります。

フォトコンテストなどもそうですが、基本的に写真にはタイトルを付ける必要があります。

写真にタイトルを付けるのは苦手な私ですが、意外とこの写真はすぐに思い浮かびました。

この滝の名前は「雨竜の滝」と呼ばれていますが、勢いよく吹き出す水が、まるで竜が水を吐き出すように見えることから「竜吐水」とも呼ばれていると知りました。

ただ、撮影した写真はそこまで水量の多いときではありませんでしたので、迫力ある名前よりも静かで神秘的な名前が良いと考えました。そしてタイトルには「流れる水の音」と「竜の気配」を重ね、自然が奏でる音楽と神秘を感じられるように「流音」と付けました。

ここまでしっかりと付けたタイトルは後にも先にも、この写真が最後かもしれません。

次回は、兄弟作品の「秋流るる」をご紹介予定です。

Artgeneで額装パネルを購入できます

この作品は、アート販売プラットフォーム Artgene にて公開・販売しています。

  • 撮影地:高知県仁淀川町・中津渓谷(雨竜の滝)
  • タイトル:流音
  • 限定プリント:サイズ・フレーム・用紙を選択可能